前夫急死後の娘の受給権は

 私は昨年、会社員の夫と離婚し、パート収入と前夫からの養育費で小学生の娘を育てています。ところが、前夫が急死したため養育費が途絶えました。離婚していても娘に遺族年金が支給されますか?前夫は離婚後再婚せず母親と同居しておりましたが、母親に支給されるのでしょうか?
遺族厚生年金 生計維持関係あり支給

 遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金がありますが、今回のケースでは娘さんに遺族厚生年金が支給されます。
 遺族厚生年金が支給されるには三つの条件があります。一つ目は前夫が死亡時に厚生年金に加入しているあるいは在職中の傷病で五年以内に死亡したか、または厚生年金の受給権者あるいは受給資格者であること(障害厚生年金三級の受給権者を除く)。二つ目は受給権者が配偶者、子、父母、孫または祖父母であること。三つ目は死亡した人と受給権者との間に生計維持関係があることです。
 あなたの場合には、死亡時前夫は会社員で再婚しておらず、養育費を送っていたことから娘さんに権利が発生し十八歳の年度末まで受け取れます。但し、生計維持関係の有無を民生委員等の第三者に証明してもらわなければなりません。また、前述の遺族基礎年金はあなたが娘と同居しているため支給停止されます。
 ちなみに、離婚時に養育費支払など経済的援助の取決めをしていなかった場合、娘さんとの生計維持関係が認められないので、次の順位の母が前夫と生計維持関係にあったなら権利が発生します。但し、父母の場合、権利発生時に五十五歳以上でありかつ六十歳以上にならないと受け取ることは出来ません。

(社会保険労務士・義若智康)

=山陽新聞朝刊 月2回掲載